1.2. 数式

数式はスプレッドシートを使うあらゆる操作にかかわる要です。数式は、単独の数字、セル参照、セル範囲、セル配列などをはじめとするあらゆる種類の引数を受け取ることができます。

1.2.1. シンタックス

数式を通常のデータと区別するのは、「=」文字で始まる点です。「=」で始まるデータはすべて、文字列ではなく数式であると解釈されます。

最も単純な数式は、標準の数学の演算子や符号を使うものです。「+」、「−」、「*」、「/」は常識どおりに解釈されます。「+」と「-」は、当然、単項演算子としても符号としても使うことができます。

1.2.2. 関数の使い方

数学、ビジネス、統計、科学などにおけるほとんどの標準的な計算は、関数を使って行われます。関数は次の形式をとります。

一般的に文書上ではすべて大文字で表記しますが、実際の用法としては大文字と小文字の区別はありません。

SUM 関数のように複数の引数を取る関数もあります。引数の数については、実際上無制限といえます。

1.2.3. 名前

複雑な式も名前を付ければ扱いやすくなります。名前は、他の数式の値を指し示します。セル範囲のラベルとしても使われます。

名前をつけるには Insert Name を使います。関係のあるワークブックの全ての名前を上手に操作することができます。名前は、関数と同じ名前を使用することはできません。混乱の元です。

あなたが定義した名前の他に、ビルドインの名前があります。:

1.2.4. 配列の数式

さらに画期的に便利で、また必要な機能として、一つの値を返すだけでなく、マトリックス値(行列)を返す式も使えます。最初の例として、一般的に考えられるのは、行列操作、つまり、行列の乗法、転置、逆行列の算出などでしょう。隠れた使い方として、データ抽出ルーチン(データベース、リアルタイム・データ入力)や、ベクトル値の関数(局面計算)などがあります。