ドライブマウントアプレット


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ドライブマウントアプレット

ドライブマウントアプレット

Figure 1のような外観を持つドライブマウントアプレットは、あなたのコンピュータ上のさまざまなドライブやファイルシステムを素早く簡単にマウントしたりアンマウントしたりします。このアプレットをパネルに追加するには、パネルを右クリックして、 パネル->パネルに追加->アプレット->ユーティリティ->ドライブマウント と選択します。

Figure 1. ドライブマウントアプレット

Note初心者のための情報
 

LinuxやUnixシステムでは、多くのファイルシステムは手動でマウントしたりアンマウントしたりする必要があります。ファイルシステムをマウントして初めて、そのファイルシステムを読み書きできます。ファイルシステムを利用し終えたらアンマウントすべきです。フロッピーディスクやZipドライブといったリムーバブルドライブは、メディアを取り出す前にアンマウントしておくことが重要です。というのも、LinuxやUnixシステムは、なされた変更を常にその直後に書き出すというわけではないからです。典型的には、システムの効率を上げるために。ディスクになされた変更はバッファに保存してから書き出します。ハードディスクドライブのような固定ドライブのパーティションは、典型的にはコンピュータのブート時に自動的にマウントされ、シャットダウン時に自動的にアンマウントされます。リムーバブルメディアは、ドライブマウントアプレットを利用したりして、手動でマウントしたりアンマウントしたりしなければなりません。

「ルートファイルシステム」は"/"(root)で始まっている、あなたのコンピュータにおけるメインのファイルシステムです。他のファイルシステムは、ルートファイルシステム以下のディレクトリとして利用されます。これは「マウントポイント」と呼ばれ、空っぽのディレクトリになっています。ファイルシステムがマウントされると、このファイルシステムの内容がディレクトリに現れます。例えば、ほとんどのシステムには"/mnt/floppy"というマウントポイントが作成されていますが、これはフロッピードライブがマウントされていないときは空っぽです。フロッピードライブがマウントされると、フロッピーの内容がこのディレクトリに現れます。

使い方

ドライブをマウント/アンマウントするには、マウスの左ボタンでドライブマウントアプレットアイコンをクリックするだけです。CD-ROMドライブやJAZドライブのように自力でメディアをイジェクトできるドライブは、マウスの右ボタンでアイコンをクリックして、取り出すを選択します。GNOMEファイルマネージャでドライブの内容を閲覧するときは、参照…を選択します。

右クリックで表示されるポップアップメニューには次の項目があります:

  • 参照…GNOMEファイルマネージャでドライブの内容を表示します。ドライブはマウントされている必要があります。

  • 取り出す — CD-ROMドライブやJAZドライブのように、自力でメディアをイジェクトできるドライブからメディアを取り出します。

  • 設定…設定Propertiesダイアログを表示します。

  • ヘルプ — このドキュメントを表示します。

  • 情報… — アプレットのバージョンや作者名といった、ドライブマウントアプレットについての基本的な情報を表示します。

Figure 2のように、アプレット上にマウスポインタをしばらく置くと、マウントポイントとマウントの状態を表示したツールチップが表示されます。

Figure 2. ドライブマウントアプレット ツールチップ表示

カスタマイズ

ドライブマウントアプレットをカスタマイズするには、アプレットを右クリックして設定…を選択します。設定ダイアログ(Figure 3参照)が表示され、さまざまな設定を変更できるようになります。

Figure 3. 設定ダイアログ

設定項目は以下の通りです:

  • マウントポイント — ドライブをマウントするときに利用するマウントポイントを設定します。これは、ドライブがマウントされるときは常にそのドライブの内容を保持する、空っぽのディレクトリです。マウントポイントはあなたのファイルシステム上のどこに設置しても構いませんが、リムーバブルメディアのマウントポイントはすべて/mntディレクトリに設置するという慣習があります。

  • 更新間隔(秒) — マウントの状態をチェックしてアイコン画像を更新する間隔を秒数で設定します。コマンドラインやドライブマウント以外のアプリケーションでマウントやアンマウントを行う場合にのみ重要です。

  • アイコン — ドライブについて表示されるアイコン(一つはマウント時用、もう一つはアンマウント時用)を設定します。一般的に利用されるドライブのほとんど(フロッピー、CD-ROM、Zip、ハードディスクドライブ、JAZ)についてはアイコンのセットが用意されています。Figure 4の通りです。カスタムを選択することもできます:あなた自身のアイコンを指定することができます。

    Figure 4. さまざまなタイプの、マウントされているドライブとアンマウントされているドライブのアイコン

    Figure 4は左から順に、フロッピー、CD-ROM、Zip、JAZ、ハードディスクドライブのそれぞれのドライブの、アンマウント時のアイコンとマウント時のアイコンを表示していることに注意してください。

  • マウント時のカスタムアイコン — ドライブのマウント時に表示されるカスタムアイコンです。このオプションはアイコンの設定が"カスタム"になっているときのみ有効になります。

  • アンマウント時のカスタムアイコン — ドライブのアンマウント時に表示されるカスタムアイコンです。このオプションはアイコンの設定が"カスタム"になっているときのみ有効になります。

  • パネルのサイズに合わせる — Selecting アイコンのサイズをパネルのサイズに合わせます。このオプションが無効の場合は、アイコンのサイズは固定され、パネルのサイズから独立します。このオプションを有効にした方が見栄えがいいです。非常に小さいパネルのサイズの場合はアプレットが回転して大きく表示されて見やすくなるので、このオプションを無効にした方が便利です。

  • automountに優しい状態テストを使用する — automountを利用している場合は有効にしてください。利用していない場合は無効にしてください。

    Note上級ユーザのための情報
     

    ドライブマウントがドライブがマウントしているか否かをテストするために利用しているデフォルトのコマンドはstatですが、ユーザがautomountを利用していると、このコマンドはドライブをマウントしてしまいます。このボタンが有効になっていると、代わりにautomountコマンドが利用されますが、これはユーザがautomountを利用していてもドライブをマウントしません。デフォルトでこのボタンが有効になっていない理由は、mountstatよりCPUを消費するからです。

変更を終えたらOKボタンをクリックして変更を適用し、設定ダイアログを閉じます。適用ボタンをクリックすると変更は適用されますが、ダイアログは閉じません。変更を適用せずに設定ダイアログを閉じるには閉じるボタンをクリックします。適用した変更はキャンセルできません。

システムの設定

Warning上級ユーザ向け
 

このセクションは、システム管理者と一歩進んだユーザを対象にしています。

ドライブマウントアプレットを適切に動作させるには、システム管理者がroot権限でシステムを設定する必要があります。このセクションでは非常に基本的な情報を提供します。

それぞれのドライブのマウントポイントとファイルシステムのタイプについての情報は/etc/fstabに書かれています。このファイルはlinuxconfプログラムを利用して手作業で編集できます。いつも一つのファイルシステムであると限らないドライブ(MS-DOSファイルシステムだったりext2ファイルシステムだったりするフロッピードライブなど)には、ファイルシステムのタイプとして"auto"を指定します。/etc/fstabには以下の形式で、それぞれのドライブについて一行ずつ記述します。

    /dev/fd0        /mnt/floppy      auto    noauto,rw,user  0 0
    
これは、一番目のフロッピードライブ(/dev/fd0)について、マウントポイントが/mnt/floppy、さまざまなファイルシステムのタイプを自動で認識、そして次のように設定されている:"noauto" — コンピュータの起動時に自動的にマウントせず、"rw" — このドライブは読み書き可能で、"user" — 一般ユーザにマウントすることを許可する、と記述しています。これらの詳細な内容はfstabのmanページで、ここでは触れなかった最後の二つのフィールドも一緒に解説されています。これはコマンドラインからman fstabと入力するか、GNOMEヘルプブラウザを通して利用できます。

linuxconfプログラムは、これらのファイルシステムを管理するためのグラフィカルインターフェイスを提供します。linuxconfを起動するにはシェルウィンドウでlinuxconfと入力し(rootとしてログインしていなければなりません)、 Config->filesystems->Access local drive と選択します。記述を編集するには、それを選択するだけです。linuxconfは利用しやすく、過程を通して利用できるヘルプシステムを持っています。新しい記述を追加するにはAddボタンを選択します。

トラブルシューティングとエラーメッセージ

あなたのシステムが適切に設定されていない場合、特定のドライブをマウントしたりアクセスしたりしようとしたときに、特定のエラーメッセージに出くわすかもしれません。ここでは、よくあるエラーメッセージのいくつかと、その原因について触れます。

  • "mount: /dev/fd0 is not a valid block device" — もっとも一般的な原因は、ドライブ(この例では/dev/fd0、フロッピードライブに相当)にメディアが入っていないことです。

  • "mount: only root can mount /dev/fda on /mnt/floppy" — あなたはこのドライブをマウントすることを許可されていません。システム管理者に連絡して、許可をもらってください。

    Noteシステム管理者に注意
     

    /etc/fstabのマウントオプション(四番目の項目)に"users"を追加すれば、一般ユーザもドライブをマウントしたりアンマウントしたりできるように設定できます。これは手作業あるいはlinuxconfConfig->Filesystems->Access local drive として表示されるLocal volumeタブを利用して設定できます。

  • "mount: wrong fs type, bad option, bad superblock on /dev/cdrom, or too many mounted file systems"— このエラーは幾つかの原因が考えられます。最も一般的には、ファイルシステムのタイプの誤った指定です。音楽CD-ROMをデータCDとしてマウントしようとしているとか、あるいはMS-DOSフォーマットのフロッピーをext2ファイルシステムとしてマウントしようとしているとかいったようなことが原因です。

  • "mount /mnt/cdrom 2>&1 reported: mount: No medium found" — ドライブ(この例ではCD-ROMドライブ)にメディアが入っていないのが原因です。

  • "umount /mnt/cdrom 2>&1 reported: umount: /mnt/cdrom: device is busy" — コンピュータがドライブを利用しているために、ドライブをアンマウントできないのが原因です。GNOMEファイルマネージャでそのドライブ上のディレクトリを開いている場合や、ターミナルウィンドウでそのドライブ上のワーキングディレクトリを開いている場合など、しばしば起こります。

  • "umount: can't find /mnt/floppy in /etc/fstab or /etc/mtab" — あなたが試しているディレクトリがマウントポイントとして設定されていないことが原因です。多くの場合、設定ダイアログ(the section called カスタマイズ参照)のマウントポイントの設定を誤っているかもしれません。使うべきマウントポイントはシステム管理者に問い合わせてください。

    Note上級ユーザに注意
     

    マウントできるそれぞれのドライブ(ファイルシステムあるいはドライブ)は、/etc/fstab設定ファイルに記述されていなければなりません。このファイルを読めば、あなたのシステムにおいてどのドライブが設定されているのか知ることができます。記述を変更したり追加するには、このファイルを手作業で編集するか、linuxconfを利用します。

  • "mount: /dev/fd0 already mounted or /mnt/floppy busy mount: according to mtab, /dev/fd0 is mounted on /mnt/floppy_ext2" — これは、一つのドライブ(この例では/dev/fd0)について二つのマウントポイントを設定し、一方のマウントポイントが既にマウントされているときにもう一方のマウントポイントにマウントしようとした場合に起こります。一つのドライブについて複数のマウントポイントを設定するのは、一般的には必要ではありません。

  • "mount: the kernel does not recognize /dev/sda4 as a block device(maybe 'insmod driver'?)" — システム管理者に連絡してください。(このエラーは、デバイスにアクセスするために必要はカーネルモジュールが自動的に読み込まれるよう適切に設定されていないことが原因です。)

既知のバグと制限

取り出しがいつも動作するとは限りません。マウントされているドライブを取り出そうとしても、なせドライブが取り出せないのか説明するエラーは表示されません。

作者

このアプレットはJohn Ellis ()によって書かれました。コメント、提案、バグレポートなどはすべてGNOMEバグ追跡データベースへお願いします(バグレポートの利用法はオンラインで参照できます)。もしあなたがGNOME 1.1あるいはそれ以降の版を利用しているのなら、バグレポートツール(bug-buddy)を利用できます。これはメインメニューユーティリティサブメニューにあり、バグレポートの送信に利用します。

このマニュアルはDan Mueth ()によって書かれました。このマニュアルに関するコメントや提案はGNOMEドキュメンテーションプロジェクト宛にお寄せください。また、GNOMEドキュメンテーションステータステーブルを利用してあなたのコメントをオンラインで加えることもできます。

この日本語翻訳は鎌ヶ迫正俊()によるものです。この翻訳に関するコメントや提案はすべてへお寄せください。

ライセンス

このプログラムはフリーソフトウェアです。フリーソフトウェア財団発行のGNU 一般公有使用許諾契約書第二版あるいは(あなたの選択で)後の版の下おいて再配布や改変することができます。

このプログラムは有用であることを期待して配布していますが、無保証です。商業目的や特定の目的に適合した場合の暗黙の保証すら含まれておりません。詳細はGNU 一般公有使用許諾契約書をご覧ください。

GNU 一般公有使用許諾契約書の複写はGNOMEユーザーズガイドの付録として収録されています。GNU 一般公有使用許諾契約書の複写はフリーソフトウェア財団から、彼らのウェブサイトを訪れることにより、また、以下の住所に手紙を書くことによっても入手することも可能です。

     Free Software Foundation, Inc.
     59 Temple Place - Suite 330
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