マニュアルページ analyzer.1




名前

     analyzer - プログラムパフォーマンス実験ファイルを解析する た
     めの GUI インタフェース


形式

     analyzer [-j|--jdkhome jvm-path][-J jvm-options]
              [-f|--fontsize size][-v|--verbose][experiment-list]

     analyzer -V|--version

     analyzer -?|-h|--help

     analyzer [-f|--fontsize size][-v|--verbose]  target [target-
              arguments]


オプション

     オプション
               意味

     -j|--jdkhome jvmpath
               アナライザを実行するための Java[tm] 仮 想 マ シ ン
               (JVM)  へ のパスを指定します。デフォルトのパスとし
               て、まず、JDK_HOME、JAVA_PATH 環境変数の順に、 JVM
               へのパスがないか調べられます。どちらの環境変数も設
               定されていない場合、デフォルトのパスは、こ の  Sun
               Studio  リ リー ス と ともに、Java[tm] 2 Platform,
               Standard Edition がインストールされた場所になり ま
               す。 イ ン ス トールされていない場合は、ユーザーの
               PATH に設定されている場所になりま す。 (JVM  (Java
               Virtual Machine) は、Java(TM) プラットフォーム用の
               仮想マシンです)
               リモートディスプレイ使用時のアナライザのパフォーマ
               ンスは、JDK 1.6 以降を使用する方が、それ以前のバー
               ジョンを使用したときよりも大幅に向上します。最初の
               起動にはまだ時間がかかりますが、起動後の動作はより
               高速になっています。

     -J jvm-option
               JVM(TM) ソフトウェアオプションを指定します。

     -f|--fontsize size
               アナライザで使用するフォントの大きさを指定します。

     -v|--verbose
               起動する前に、バージョン情報と Java の実行時引数を
               出力します。

     -V|--version
               バージョン情報を出力し、終了します。

     -?|-h|--help
               使用方法に関する情報を出力し、終了します。


機能説明

     パフォーマンスアナライザとは、 collect コマンド、IDE、または
     dbx  の collector コマンドなどのコレクタを使用して収集された
     パフォーマンスデータを、解析するグラフィカルデータ解析ツール
     で す。 プ ロ セスが実行されている間、実験を作成するためのパ
     フォーマンス情報が、コレクタによって収集されます。パフォーマ
     ンスアナライザはその実験を読み込み、データを解析し、その内容
     を表形式および図形式で表示します。 analyzer のコマンドライン
     バージョンは、 er_print ユーティリティーとして使用できます。

     パフォーマンスアナライザを起動するには、コマンド行で次のよう
     に入力します。

          analyzer[ experiment-list]

     または、IDE でエクスプローラを使用して実 験 を 開 き ま す。
     experiment-list  コ マンドの引数は、実験の名前または実験のグ
     ループ名、あるいはその両方を空白文字で区切ったリストです。

     コマンド行には複数の実験または実験グループを指定できます。内
     部に派生実験を持つ実験を指定すると、すべての派生実験が自動的
     に読み込まれますが、派生実験のデータの表示は無効になります。
     派生実験を個別に読み込むには、実験を明示的に指定するか、実験
     グループを作成します。実験グループを作成するには、まず先頭に
     次の行を記載したプレーンテキストファイルを作成します。

          #analyzer experiment group

     次に、後続行に実験の名前を追加します。ファイルには、 erg  と
     いう拡張子を付ける必要があります。

     「アナライザ」ウィンドウの「ファイル」メニューを使用して実験
     または実験グループを追加することもできます。実験をディレクト
     リとして開くことは、ファイル選択ダイアログで許可されていない
     ため、派生プロセスで記録される実験を開くには、「実験を開く」
     ダイアログボックス (または「実験ファイルの追加」ダイア ロ グ
     ボックス) でファイル名を入力する必要があります。

     ただし、アナライザが複数の実験を表示する際には、読み込み方法
     に関わらず、すべての実験データに統合されます。

     「実験を開く」ダイアログボックスまたは「実験ファイルの追加」
     ダイアログボックスで読み込む実験または実験グループの名前をク
     リックして、プレビュー表示を行うことができます。

     パフォーマンスアナライザを起動して実験を記録するには、コマン
     ド行で次のように入力します。

          analyzer target[target-arguments]

     パフォーマンスツールの「収集」ダイアログボック ス が 開 き、
     target  とその引数、および実験を収集するための設定が表示され
     ます。「実験の記録」を参照してください。


「アナライザ」ウィンドウ -- 左側のタブ

     「アナライザ」ウィンドウには、メニューバー、ツールバー、およ
     び多様な表示を行うタブを含む分割区画があります。左側の区画に
     は、アナライザの主な表示内容についてのタブがあります。この区
     画 に実際に存在するタブは、.er.rc ファイルの tabs 指令と、タ
     ブに対応するデータの有無によって制御されます。表示される可能
     性があるタブの表示順は次のとおりです。

     o    「競合」タブ

     o    「デッドロック」タブ

     o    「デュアルソース」タブ

     o    「関数」タブ

     o    「呼び出し元-呼び出し先」タブ

     o    「ソース」タブ

     o    「ソース/逆アセンブリ」タブ

     o    「行」タブ

     o    「逆アセンブリ」タブ

     o    「PC」タブ

     o    「データオブジェクト」タブ

     o    「データレイアウト」タブ

     o    さまざまなメモリーオブジェクトのタブ

     o    さまざまなインデックスオブジェクトのタブ

     o    「タイムライン」タブ

     o    「リーク一覧」タブ

     o    「統計」タブ

     o    「実験」タブ

     デフォルトでは、最初の表示タブが選択されます。読み込まれてい
     る実験内のデータに適用可能なタブのみ表示されます。

     「データ表示方法の設定」ダイアログボックスには、使用可能な通
     常タブのすべてを示す欄と、定義済みのすべてのメモリーオブジェ
     クトのタブを示す欄からなる「タブ」タブがあります。これらの欄
     で は、 適用可能なすべてのタブにチェックボックスが付いていま
     す。

     右側の区画には、「概要」タブ、「イベント」タブ、「リーク」タ
     ブ、「デッドロックの詳細」タブ、「競合の詳細」タブが含まれま
     す。右側には、左側に表示されるタブに対応するタブだけが表示さ
     れます。

     ツールバーには、検索ツールのボタンがあります。このツールを使
     用して、さまざまなタブ内のテキストまたは強調表示行を検索する
     ことができます(下記の「テキストおよびデータの 検 索」 を 参
     照)。

     分割区画を設定するため、分割線をドラッグして区画のサイズを変
     更したり、分割線のズームボタン (三角形) をクリックして最大サ
     イズまで区画を拡大したり、またはデフォルトのサイズに戻すこと
     ができます。三角形は、クリックした際に分割線が移動する方向を
     示します。キーボードから分割線を選択するには、F8 キーを押 し
     ま す。矢印キーで分割線を移動できます。Home キーを押すと、分
     割線は左端まで移動します。End キーを押すと、分割線は右端まで
     移動します。

     テーブル内の列を並べ替えるには、列ヘッダーを希望の位置までド
     ラッ グします。「関数」タブと「呼び出し元-呼び出し先」タブの
     テーブルを列の内容でソートするには、列のヘッダーをクリックし
     ます。

     メニューバーの一番右にあるのは「ヘルプ」メニューです。「ヘル
     プ」メニューを使用すると、新機能の説明、クイックリファレンス
     ガイド、およびキーボードショートカットのリストを含むアナライ
     ザ のヘルプを表示できます。また、F1 キーを押すと、選択したタ
     ブに関するコンテキストに応じたヘルプが表示されます。

     「競合」タブ
          「競合」タブは、一般的な呼び出しスタックのグループに ま
          と められた、プログラム内のデータ競合の一覧です。このタ
          ブは、読み込まれた実験にデータ競合データが記録されて い
          る 場合にのみ表示されます。デフォルトでは、このリストの
          最初のデータ競合が選択されています。詳細は、tha(1) のマ
          ニュアルページを参照してください。

     「デッドロック」タブ
          「デッドロック」タブは、一般的な呼び出しスタッ ク の グ
          ルー プにまとめられた、プログラム内のデッドロックおよび
          潜在的デッドロックの一覧です。このタブは、読み込まれ た
          実 験にデッドロックデータが記録されている場合にのみ表示
          されます。デフォルトでは、デッドロック一覧の最初の デッ
          ドロックが選択されています。詳細は、tha(1) のマニュアル
          ページを参照してください。

     「デュアルソース」タブ
          「デュアルソース」タブには、2 つの区画があります。こ れ
          らの区画は、次に説明するように、それぞれ 1 つのソースタ
          ブに対応しています。「デュアルソース」タブは、選択さ れ
          たスレッドアナライザのイベントに基づいて 2 つのソース位
          置を表示します。このタブは、右側の「競合の詳細」また は
          「デッ ドロックの詳細」タブで選択が行われたときにのみ読
          み込まれます。これ以外のタブで選択が行われても、影響 を
          受けません。

          この 2 つのソース位置は、データ競合の場合は、「競合の詳
          細」 タ ブで表示されているデータ競合の 2 つのアクセスの
          ソース位置を表します。デッドロックの場合 は、 「デッ ド
          ロッ クの詳細」タブで選択されたスレッドからの、1 つ目の
          ロック取得と、2 つ目のロック取得の試み (デッドロッ ク )
          に対応する 2 つのアクセスを表します。このタブは、読み込
          まれた実験にスレッドアナライザのデータが記録されてい る
          場合にのみ表示されます。詳細は、tha(1) のマニュアルペー
          ジを参照してください。

     「関数」タブ
          「関数」タブには、関数と関数についてのメトリックから 成
          る リストが表示されます。メトリックは、実験において収集
          されたデータから派生します。メトリックは排的な場合と 包
          括 的な場合があります。排的メトリックとは関数自体の内部
          での使用法を表すもので、包括的メトリックとは関数とそ の
          関 数 が 呼び出したすべての関数内部の使用法を表すもので
          す。利用可能なメトリックのリストは、collect(1) のマニュ
          ア ルページで説明してあります。メトリックがゼロ以外の関
          数のみリストされます。時間のメトリックは秒、ミリ秒の 精
          度 で 表 示されます。割合 (%) は 0.01% 精度で表示されま
          す。メトリックの値が正確に 0 の場合、その時間と割 合 は
          「0」 と表示されます。この値が 0 ではないが精度未満の場
          合、値は「0.000」と表示され、割合は「0.00」と表示されま
          す。 丸めがあるため、百分率値の合計は正確には 100% にな
          らないことがあります。
          カウントメトリックは整数のカウントで表示されます。

          最初に表示されるメトリックは、収集されたデータから、 さ
          ら に様々な .er.rc ファイルから読み込まれたデフォルト設
          定に基づいています (後述のデフォルトを参照)。ク ロッ ク
          ベー スのプロファイルでは、このデフォルトセットは、包括
          的および排的なユーザーCPU 時間から構成されています。 同
          期 遅 延トレースでは、このデフォルトセットは包括的 Sync
          待ちカウントと包括的 Sync 待ち時間から構成され て い ま
          す。HW カウンタのオーバーフローのプロファイルでは、この
          デフォルトセットは包括的および排他的な時間 (サイクル で
          カ ウントするカウンタ用) またはイベントカウント (その他
          のカウンタ用) から構成されています。ヒープト レー ス で
          は、 このデフォルトセットはヒープ割り当てと割り当てられ
          るバイト数から構成されています。ヒープトレース 時  mmap
          へ の呼び出しは、メモリー割り当てとして扱われます。複数
          の種類のデータが収集されている場合、収集されたデータ の
          種類ごとにデフォルトのメトリックが表示されます。
          表示されるメトリックは、「データ表示方法の設定」ダイ ア
          ログボックスを使用して変更できます。

          メトリックの列を並べ替えるには、列のヘッダーを表示し た
          い位置までドラッグします。

          ソートメトリック(ソート基準のメトリック)を選択 す る に
          は、 適切な列ヘッダーをクリックします。ソートメトリック
          のメトリック名がボールド書体で表示され、ヘッダーに三 角
          形が表示されます。

          関数を検索するには、検索ツールを使用します。

     「呼び出し元-呼び出し先」タブ
          「呼び出し元-呼び出し先」タブでは、選択された関数が中央
          に 表示され、上の区画には関数の呼び出し元、下の区画には
          関数が呼び出す先が表示されます。

          関数ごとの排他的および包括的なメトリック値に加えて、 タ
          ブ には属性メトリックも表示されます。選択された関数につ
          いては、属性メトリックはその関数に関する排他的メト リッ
          ク を表します。呼び出し先については、属性メトリックは中
          央の関数からの呼び出しに帰する呼び出し先のメトリック の
          割 り合いを表します。呼び出し先と選択された関数に関する
          属性メトリックの合計は、選択された関数に関する包括的 メ
          ト リックになります。呼び出し元については、属性メトリッ
          クは、呼び出し元からの呼び出しに帰する選択された関数 の
          包 括的メトリックの割合を表します。すべての呼び出し元に
          関する属性メトリックの合計も、選択された関数について の
          包括的メトリックになります。

          「呼び出し元-呼び出し先」タブに表示するメトリッ ク は、
          「デー タ 表 示方法の設定」ダイアログボックスで選択しま
          す。包括的または排他的なメトリックを選択すると、「呼 び
          出し元-呼び出し先」タブに対応する属性メトリックが表示さ
          れます。

          メトリックの列を並べ替えるには、列のヘッダーを表示す る
          位置までドラッグします。

          ソートメトリックを選択するには、適切な列ヘッ ダー を ク
          リッ クします。ソートメトリックのメトリック名がボールド
          書体で表示され、ヘッダーに三角形が表示されます。「呼 び
          出し元-呼び出し先」タブでのソートには、属性メトリックの
          み使用できます。

          関数を検索するには、検索ツールを使用します。

          任意のタブでほかの関数を選択すると、「呼び出し元-呼び出
          し 先」タブの中央で、選択された関数が更新されて表示され
          ます。

     「ソース」タブ
          「ソース」タブでは、可能であれば、選択された関数の ソー
          ス 行を含むファイルが、パフォーマンスメトリックの注釈付
          で表示されます。ソースファイル、対応するオブ ジェ ク ト
          ファ イル、およびロードオブジェクトのフルネームが、ソー
          スコードの列ヘッダーに表示されます。同一のソースファ イ
          ル を使って複数のオブジェクトファイルをコンパイルするこ
          とがまれにありますが、この場合は、選択された関数を含 む
          オ ブジェクトファイルのパフォーマンスデータが表示されま
          す。

          アナライザは、絶対パス名下で選択された関数を含むファ イ
          ル を実行可能ファイルで記録されたものとして検索します。
          ファイルがその場所に存在しない場合、アナライザは、 ベー
          ス 名が同じファイルが現在の作業用ディレクトリにないか調
          べます。ソースを移動したり、実験が異なるファイルシス テ
          ム に記録された場合は、現在のディレクトリに実際のソース
          のシンボリックリンクを作成して、注釈付きのソースを表 示
          できます。

          「関数」タブで関数が選択されていて、「ソース」タブが 開
          か れ た 場合、表示されるソースファイルは、その関数のデ
          フォルトのソースコンテキストになります。デフォ ル ト の
          ソー スコンテキストとは、関数の最初の命令を含むファイル
          (C コードの場合は、関数の開始中括弧) です。注釈付きソー
          ス ファイルの場合、最初の命令の直後には関数のインデック
          ス行が追加されます。ソースのウィンドウには、下記に示 す
          よ うに鉤括弧内に赤いイタリックのテキストでインデックス
          行が表示されます。

            <Function: f_name>

          関数には代替ソースコンテキストが存在することが あ り ま
          す。 これは、その関数に起因する命令を含む別のファイルで
          す。そうした命令はインクルードファイルからのものもあ れ
          ば、 選択された関数にインライン化されたほかの関数からの
          ものもあります。代替ソースコンテキストが存在する場 合、
          デ フォルトのソースコンテキストの先頭には、代替ソースコ
          ンテキストがある場所を示す拡張インデックス行のリスト が
          含まれます。

            <Function: f, instructions from source file src.h>

          別のソースコンテキストを参照しているインデックス行を ダ
          ブ ルクリックすると、インデックス付きの関数に関連付けら
          れた場所にある、そのソースコンテキストを含むファイル が
          開 かれます。ナビゲーションに役立つよう、代替ソースコン
          テキストはまた、デフォルトのソースコンテキストとほか の
          代 替ソースコンテキストに定義されている関数を逆参照する
          インデックス行のリストから始まります。

          ソースコードは、選択されたコンパイラコメントと共にイ ン
          タ リーブされます。表示されるコメントのクラスは、「デー
          タ表示方法の設定」ダイアログボックスで設定できます。 デ
          フォ ルトのクラスは、デフォルトファイルで設定できます (
          後述のデフォルト参照)。

          「ソース」タブで表示するメトリックは、「データ表示方 法
          の設定」ダイアログボックスで選択できます。

          ソースファイル内にある行のメトリックの最大しきい値の 割
          合 と同じかそれを超えるメトリックの行は強調され、重要な
          行を簡単に見つけることができます。しきい値は、「デー タ
          表 示 方 法の設定」ダイアログボックスで設定できます。デ
          フォルトのしきい値は、デフォルトファイルで設定できま す
          (後述のデフォルト参照)。

          テキストや強調表示された行を検索するには、検索ツール を
          使 用します (以降の「テキストおよびデータの検索」を参照
          )。

          メトリックの列を並べ替えるには、列のヘッダーを表示す る
          位置までドラッグします。

     「行」タブ
          「行」タブでは、ソース行とそのメトリックから構成され る
          リ ストが表示されます。ソース行は、関数名、行番号、ソー
          スファイル名で示されます。関数の行番号情報が入手でき な
          い 場合や関数のソースファイルが不明な場合には、関数のす
          べての PC が関数の 1 項目として、まとめて表示されます。
          関数が非表示であるロードオブジェクトの関数の
           PC は、ロードオブジェクトの 1 項目として、まとめて表示
          さ れます。「行」タブで行を選択すると、その行のすべての
          メトリックが「概要」タブに表示されます。「行」タブで 行
          を 選択し、「ソース」タブまたは「逆アセンブリ」タブを選
          択すると、適切な行が表示されます。

     「逆アセンブリ」タブ
          「逆アセンブリ」タブでは、命令ごとにパフォーマンスメ ト
          リッ クの注釈を付けて、選択された関数を含むオブジェクト
          ファイルに対する逆アセンブリリストが表示されます。

          逆アセンブリリストでは、ソースコード (ある場合) と表 示
          用 に選択されたコンパイラコメントが交互に現れます。逆ア
          センブリ」タブでソースファイルを検出するアルゴ リ ズ ム
          は、 「ソース」タブで使用されているアルゴリズムと同じで
          す。

          「ソース」タブと同じで、インデックス行は、「逆アセン ブ
          リ」 タブにも表示されます。ただし、「ソース」タブと異な
          り、代替ソースコンテキストのインデックスを直接ナビ ゲー
          ショ ンの目的に使用することはできません。また、代替ソー
          スコンテキストのインデックスは、「逆アセンブリ」タブ の
          先 頭に単に列挙されるのではなく、インクルードまたはイン
          ライン化されたコードの挿入場所の先頭に表示されます。 ほ
          か の ファ イルからインクルードまたはインライン化された
          コードは、ソースコードと交互に表示されるのではなく、 逆
          ア センブリ命令がそのまま表示されます。ただし、そうした
          命令のどれかにカーソルを置き、「ソース」タブを選択す る
          と、 そのインクルードまたはインライン化されたコードを含
          むソースファイルが開きます。このファイルを表示した状 態
          で 「逆アセンブリ」タブを選択すると、新しいコンテキスト
          で逆アセンブリ表示が開き、ソースコードと交互に逆アセ ン
          ブリコードが表示されます。

          表示されるコメントのクラスは、「データ表示方法の設 定」
          ダ イ ア ログボックスで設定できます。デフォルトのクラス
          は、デフォルトファイルで設定できます (後述のデフォル ト
          参照)。

          重要な行を簡単に見つけられるよう、アナライザ は、 メ ト
          リッ クがそのメトリック別しきい値に等しいか、しきい値を
          超える行を強調表示します。しきい値は、「データ表示方 法
          の 設定」ダイアログボックスで設定できます。デフォルトの
          しきい値は、デフォルトファイルで設定できます (後述の デ
          フォルト参照)。

          テキストや強調表示された行を検索するには、検索ツール を
          使 用します (以降の「テキストおよびデータの検索」を参照
          )。

          メトリックの列を並べ替えるには、列のヘッダーを表示す る
          位置までドラッグします。

     「ソース/逆アセンブリ」タブ
          「ソース/逆アセンブリ」タブには、2 つの区画があります。
          1  つ は「ソース」タブに対応し、もう 1 つは「逆アセンブ
          リ」タブに対応しています。両方の区画とも、それぞれの 対
          応 するタブが読み込まれるときと同様に、選択が行われると
          読み込まれます。

     「PC」タブ
          「PC」タブでは、PC とそのメトリックから構成されるリスト
          が表示されます。PC は、関数名とその関数内でのオフセット
          で示されます。関数が非表示であるロードオブジェクトの 関
          数の PC は、ロードオブジェクトの
           1 項目として、まとめて表示されます。「PC」タブで行を選
          択 すると、その PC のすべてのメトリックが「概要」タブに
          表示されます。「PC」タブで行を選択し、「ソース」タブ ま
          た は「逆アセンブリ」タブを選択すると、適切な行が表示さ
          れます。

     「データオブジェクト」タブ
          「データオブジェクト」タブは、データオブジェクトとそ の
          メ トリックの一覧です。このタブは、積極的なバックトラッ
          クオプションが有効になっているハードウェアカウンタ実 験
          で、C コンパイラで -xhwcprof オプションを指定してコンパ
          イルしたソースファイルに対してのみ適用されます。この タ
          ブ の表示を有効にすると、プログラム中のさまざまなデータ
          構造体と変数のハードウェアカウンタメモリーオペレー ショ
          ンのメトリックが表示されます。

          「データオブジェクト」タブは、読み込まれた実験の少な く
          とも 1 つにデータ領域プロファイルが含まれる場合にのみ表
          示可能にできます。

     「データレイアウト」タブ
          「データレイアウト」タブは、データ派生メトリックデー タ
          を 持つすべてのプロジェクトデータオブジェクトの注釈付き
          データオブジェクトレイアウトを表示します。これらレイ ア
          ウトは、その構造を 1 つの全体としてデータソートメトリッ
          ク値でソートされて表示されます。各集合体データオブ ジェ
          ク トのデータは、そのオブジェクトに起因する合計メトリッ
          クのあとに、そのすべての要素という順序で表示さ れ ま す
          (要 素はオフセット順に表示される)。要素は、それぞれ専
          用のメトリックと 32 バイトブロック単位でのそのサイズ お
          よび位置のインジケータを持ちます。

          「データオブジェクト」タブ同様、「データレイアウト」 タ
          ブは、読み込まれた実験の少なくとも 1 つにデータ領域プロ
          ファイルが含まれている場合にのみ表示可能にできます。

     メモリーオブジェクトのタブ
          メモリーオブジェクトのタブには、そのタブのメモリーオ ブ
          ジェ クトに起因するデータ領域メトリックのメトリック値が
          表示されます。任意の数のメモリーオブジェクトタブを表 示
          可 能にできますが、「データオブジェクト」タブ同様、メモ
          リーオブジェクトのタブは、読み込まれた実験の少なくと も
          1  つにデータ領域プロファイルが含まれている場合にのみ表
          示可能にできます。

          さまざまなメモリーオブジェクトのタブが事前に定義され て
          い ますが、「データ表示方法の設定」ダイアログボックスの
          「タブ」タブのボタンを使用して、独自のメモリーオブ ジェ
          ク トを定義することもできます。定義する場合は、オブジェ
          クトに名前を付けて、記録済みの物理または仮想アドレス を
          オ ブジェクトインデックスにマッピングするためのインデッ
          クス式を指定します。.er.rc ファイルに memobj_define  コ
          マ ンドを含めて、独自のメモリーオブジェクトを事前定義し
          ておくこともできます。詳細は er_print(1) のマニュ ア ル
          ページを参照してください。

          どのメモリーオブジェクトのタブにも、テキストまたはグ ラ
          フィ カル表示のいずれかを選択するためのラジオボタンがあ
          ります。テキスト表示は「データオブジェクト」タブと非 常
          に よく似ていて、同じメトリック設定が使用されます。グラ
          フィカル表示は、各メモリーオブジェクトの相対値 の グ ラ
          フィカル表現で、1 つのメトリックにヒストグラムが 1 つあ
          ります。ヒストグラムは、データソートメトリックでソー ト
          されます。

     インデックスオブジェクトのタブ
          各インデックスオブジェクトのタブは、データ領域メト リッ
          ク のメモリーオブジェクトのタブ同様、すべてのメトリック
          のメトリック値を表示します。

          さまざまなインデックスオブジェクトのタブが事前に定義 さ
          れ て い ますが、「データ表示方法の設定」ダイアログ「タ
          ブ」タブのボタンを使用して、カスタムインデック ス オ ブ
          ジェ クトを定義することもできます。この定義を行うには、
          オブジェクトに名前を付け、イベントの記録済みパラメー タ
          を オブジェクトインデックスにマップするためのインデック
          ス式を指定します。.er.rc  ファ イ ル に  1  つ 以 上 の
          indxobj_define コマンドを含めて、カスタムインデックスオ
          ブジェクトを事前に定義することができ ま す。 詳 細 は、
          er_print(1) のマニュアルページを参照してください。

          どのインデックスオブジェクトタブにも、「テキスト」表 示
          ま たは「グラフィカル」表示を選択するためのラジオボタン
          があります。「テキスト」表示は「関数」タブの表示によ く
          似 て い ますが、排他的メトリック設定のみ表示されます。
          「グラフィカル」表示は、各インデックスオブジェクトの 相
          対 値のグラフィカル表現で、メトリックごとにヒストグラム
          が 1 つ表示されます。ヒストグラムは、データソート メ ト
          リックでソートされます。

     「タイムライン」タブ
          「タイムライン」タブでは、コレクタで時間の関数として 記
          録 されたイベントと標本点のグラフが表示されます。データ
          は、水平バーで表示されます。実験ごとに標本データを表 す
          バー が あ り、LWP ごとにバーのセットがあります。LWP の
          セットは、記録されるデータ (クロックベースのプロファ イ
          ル、 ハードウェアカウンタオーバーフローのプロファイル、
          同期トレース、ヒープトレース、および MPI トレース) の種
          類ごとに 1 つずつのバーがあります。

          標本データを含むバーでは、各標本のマイクロステートご と
          の 経過時間を色分けして表します。標本点のデータは標本点
          間の経過時間を表すため、標本は期間を表します。標本を ク
          リッ クすると、その標本のデータが「イベント」タブに表示
          されます。

          プロファイルデータまたはトレースデータのバーは、記録 さ
          れ るイベントごとのイベントマーカーを表します。イベント
          マーカーは、マーカーの一番上に表示されるリーフ関数か ら
          の 呼 び 出しスタックを色分けして表します。イベントマー
          カーのカラーの矩形をクリックすると、対応する関数が選 択
          さ れ、そのイベントと関数のデータが「イベント」タブに表
          示されます。「イベント」タブと「凡例」タブでは選択項 目
          は 強調表示され、「ソース」タブまたは「逆アセンブリ」タ
          ブを選択すると、呼び出しスタック内のそのフレームに対 応
          する行が表示されます。

          データによっては、イベントがオーバーラップして見えな く
          な ることがあります。複数のイベントがまったく同じ位置に
          ある場合、描画できるのは 1 つのイベントだけです。また、
          複 数のイベントが 1 または 2 ピクセルの中にある場合は、
          すべてのイベントを描画できます。ただし、それらを視覚 的
          に 区別することは困難です。いずれの場合も、オーバーラッ
          プを示す灰色のマークが描画イベントの下に表示されます。

          「データ表示方法の設定」ダイアログボックスの「タイム ラ
          イ ン」タブを使用して、表示されるイベント固有のデータの
          種類の変更、スレッド、LWP、または CPU のイベント固有 の
          デー タの表示の選択、呼び出しスタックのルートまたはリー
          フへの配置、表示される呼び出しスタックのレベル数の選 択
          を行うことができます。

          「イベント」タブのツールバーを使用して、横方向でのイ ベ
          ント単位の移動や縦方向でのバー単位の移動、時間軸の拡大/
          縮小表示、横幅一杯の表示へのリセットを行うことができ ま
          す。 また、領域上をドラッグすることで、拡大表示すること
          もできます。ツールバーにある「カラーチューザ」アイコ ン
          を クリックすると呼び出されるカラーチューザでは、選択し
          た関数にマップされている色を変更できます。カラー チュー
          ザ は、すべての機能の色、および指定した文字列に一致する
          機能の色を設定することもできます。また、ユーザーの  CPU
          以 外のマイクロステートを表すクロックプロファイルの色を
          設定でき、それらのイベントを非表示にすることも で き ま
          す。 カラーチューザにはまた、各関数の色を提供する凡例が
          あります。

          表示する実験は、「データをフィルタ」ダイアログボック ス
          を 使用して選択します。このダイアログボックスでの LWP、
          スレッド、CPU の選択は、「タイムライン」タブでのデー タ
          の表示に影響を与えません。

     「リーク一覧」タブ
          「リーク一覧」タブには上下 2 行が表示され、上の行はリー
          ク を、下の行は割り当てを示します。各行では、「タイムラ
          イン」タブと同様に呼び出しスタックが表示され、中央の 上
          部 にはリークしたか割り当てられたバイトに比例した長さの
          バーが、下部にはリークまたは割り当ての数に比例した長 さ
          のバーが表示されます。

          リークまたは割り当てを選択すると、選択したリークまた は
          割 り当てのデータが「リーク」タブに表示されます。また、
          「タイムライン」タブと同様に、呼び出しスタック 内 の フ
          レームが選択されます。

          「リーク一覧」タブは、読み込まれた実験の少なくとも 1 つ
          に ヒープトレースデータが含まれる場合にのみ表示可能にで
          きます。「リーク」タブのツールバーを使用して、横方向 に
          リー クまたは割り当て単位に移動したり、また縦方向に移動
          して、リークから割り当て、またその逆に割り当てから リー
          ク に 切 り 替 えたりできます。ツールバーにある「カラー
          チューザ」アイコンをクリックすると呼び出され る カ ラー
          チュー ザでは、選択した関数にマップされている色を変更で
          きます。

     「統計」タブ
          「統計」タブでは、選択された実験と標本の全体にわたっ て
          合 計されたさまざまなシステム統計情報の合計が表示され、
          続いて実験ごとに選択された標本についての統計が表示さ れ
          ま す。 表 示 さ れ る 統計については、getrusage(3C)proc(4) のマニュアルページを参照してください。

     「実験」タブ
          「実験」タブは、2 つの区画に分割されています。上のパ ネ
          ル には、読み込まれたすべての実験内のロードオブジェクト
          のノードと、読み込まれた各実験のノードからなるツリー が
          含 まれています。「ロードオブジェクト」ノードを展開する
          と、すべてのロードオブジェクトの一覧とそれらの処理に 関
          するさまざまなメッセージが表示されます。

          実験のノードを展開すると、 「注記」  と 「情報」   の 2
          つの領域が表示されます。

          実験に notes  ファイルがある場合、 注記  領域には、その
          ファ イルの内容が表示されます。注記は、「注記」領域に直
          接入力することによって編集できます。「注記」領域に は、
          注 を保存または廃棄したり、最後に保存してからの編集内容
          を取消しあるいは再実行したりするためのボタンなどから な
          る専用のツールバーがあります。

          情報  領域には、実験またはロードオブジェクトの処理中 に
          生 成されたエラーメッセージや警告メッセージを含めて、収
          集された実験や収集対象によってアクセスされたロードオ ブ
          ジェクトに関する情報が含まれます。

          最下部のパネルには、アナライザセッションで出力された エ
          ラーメッセージと警告メッセージが表示されます。


「アナライザ」ウィンドウ -- 右側のタブ

     右側のタブは、左側のタブのいずれかで選択された項目の詳細情報
     を表示します。

     「概要」タブ
          「概要」タブでは、選択された関数またはロードオブジェ ク
          ト について記録されているすべてのメトリックが、値と割り
          合いの両方ですべて表示されます。また、選択された関数 ま
          た はロードオブジェクトに関する情報が表示されます。任意
          のタブで新しい関数またはロードオブジェクトが選択され る
          と、 「概要」タブは更新されます。このタブは、「関数」、
          「呼び出し元-呼び出し先」、「行」、または「PC」タブで選
          択 が行われると前面表示されます。「ソース」または「逆ア
          センブリ」タブで選択が行われた場合は、読み込まれはし ま
          すが、前面表示されません。

     「イベント」タブ
          「イベント」タブでは、「タイムライン」タブで選択され た
          イ ベ ントについて、イベントの種類、リーフ関数、LWP、ス
          レッド ID、および CPU ID を含む詳細なデータが表示されま
          す。 データパネルの下には、呼び出しスタックがスタックの
          関数ごとに色分けして表示されます。呼び出しスタックの 関
          数をクリックすると、関数が選択されます。

          「タイムライン」タブで標本が選択されている場合、「イ ベ
          ン ト」タブでは、標本番号、標本の開始時間と終了時間、お
          よびマイクロステートごとに経過時間が色分けされたマイ ク
          ロステートが表示されます。

          「イベント」タブにはツールバーがあり、このバーを使用 し
          て、 イ ベ ント単位の移動やタイムラインのズーム、カラー
          チューザの呼び出しを行うことができます。

          このタブは、左側の区画に「タイムライン」タブが表示さ れ
          て いる場合にのみ表示されます。「タイムライン」タブで選
          択が行われると、必ず前面表示されます。

     「リーク」タブ
          「リーク」タブでは、「リーク一覧」タブで選択したリー ク
          ま たは割り当ての詳細データが表示されます。データパネル
          の下の「リーク」タブは、選択されたリークまたは割り当 て
          が 検出された時点の呼び出しスタックを示します。呼び出し
          スタック内の関数をクリックすると、その関数が選択され ま
          す。

          「リーク」タブにはツールバーがあり、このバーを 使 用 し
          て、 イベント単位の移動や、カラーチューザの呼び出しを行
          うことができます。

          このタブは、左側の区画に「リーク一覧」タブが表示され て
          い る場合にのみ表示されます。「リーク一覧」タブで選択が
          行われると、必ず前面表示されます。


     「競合の詳細」タブ
          「競合の詳細」タブは、「競合」タブで選択された競合の 詳
          細データを表示します。

          「競合の詳細」タブにはツールバーがあり、このバーを使 用
          し て、競合を順に移動しながら、各競合の「競合ソース」コ
          ンテキストを確認することができます。

          このタブは、左側の区画に「競合」タブが表示されている 場
          合 にのみ表示されます。「競合」タブで選択が行われると、
          必ず前面表示されます。詳細は、tha(1) のマニュアルページ
          を参照してください。


     「デッドロックの詳細」タブ
          「デッドロックの詳細」タブは、「デッドロック」タブで 選
          択されたデッドロックの詳細データを表示します。

          「デッドロックの詳細」タブにはツールバーがあ り、 こ の
          バー を使用して、デッドロックを順に移動しながら、各デッ
          ドロックの「競合ソース」コンテキストを確認することが で
          きます。

          このタブは、左側の区画に「デッドロック」タブが表示さ れ
          て いる場合にのみ表示されます。「競合」タブで選択が行わ
          れると、必ず前面表示されます。詳細は、tha(1) のマニュア
          ルページを参照してください。


  「データ表示方法」オプションの選択
     「データ表示方法の設定」ダイアログボックスで、データの表示を
     制御できます。このダイアログボックスを開くには、ツールバーで
     「データ表示方法の設定」ボタンをクリックするか、「表 示」 メ
     ニューから「データ表示方法の設定」を選択します。「データ表示
     方法の設定」ダイアログボックスには、8 つのタブで分けられた表
     示区画があります。

     「メトリック」タブには、使用できるメトリックがすべて表示され
     ます。メトリックごとには、メトリックの種類によって「時間」、
     「値」および「%」のラベルがある 1 つまたは複数の列にチェック
     ボックスがあります。

     メトリック別の設定に代わるもう一つの方法として、ダイアログの
     最 下行のチェックボックスを選択または選択解除し、 「すべての
     メトリックに適用」  ボタンをクリックすることによって、すべて
     のメトリックを一度に設定することもできます。

     「ソート」タブには、メトリックの表示順序と、ソート基準として
     使用するメトリックの選択肢が表示されます。

     「ソース/逆アセンブリ」タブには、提供情報の選択に利 用 で き
     る、次のような一群のチェックボックスが用意されています。

     o    ソースリストおよび逆アセンブリリストに表示するコンパ イ
          ラのコメント

     o    ソースリストおよび逆アセンブリリストで重要な行を強調 表
          示するしきい値

     o    逆アセンブリリストにおけるソースコードの交互表示

     o    逆アセンブリリストにおけるソース行のメトリック

     o    逆アセンブリリストにおける命令の 16 進表示

     「書式」タブには、C++ 関数および Java メソッドの名前で長い形
     式、 短 い形式、符号化形式のどれを使用する選択するためのオプ
     ションがあります。

     また、「関数名に SO 名を付加」チェックボックスを選択すると、
     関数またはメソッド名の末尾に共有オブジェクト (その関数または
     メソッドがある共有オブジェクト) の名前が追加されます。

     「書式」タブは、「ユーザー」、「上級」、「マシン」の 3 つ の
     表 示モードオプションを提供します。Java 実験および OpenMP 実
     験の処理は、表示モードの設定の影響を受けます。

     「タイムライン」タブでは、表示されるイベント固有のデータの種
     類の選択、スレッド、LWP、または CPU のイベント固有のデータの
     表示の選択、呼び出しスタックのルートまたはリーフへの配置、表
     示 さ れる呼び出しスタックのレベル数の選択を行うことができま
     す。

     「パスを検索」では、ソースファイル、オブジェクトファイルの検
     索に使用するディレクトリの管理を行うことができます。特別な名
     前である「$expts」は、読み込まれる実験を示します。その他の名
     前は、ファイルシステム内のパス名です。

     「パスマップ」タブでは、ソースおよびオブジェクトファイルを検
     索する際の検索パスの代わりとなるパスマップの一覧を管理できま
     す。各パスマップには、from 接頭辞と to 接頭辞があ り ま す。
     ファイルのフルパスが from 接頭辞で始まっている場合、その接頭
     辞を to 接頭辞に置き換える新しいパスが試されます。複数のマッ
     プが使用されていることがありますが、その場合はそれらのマップ
     が順に試されます。

     「タブ」タブを使用し、使用可能なタブから、メインディスプレイ
     に表示するタブを選択することができます。このタブにはまた、事
     前に定義されているメモリーオブジェクトおよびインデックスオブ
     ジェクトのタブ一覧と、カスタムメモリーオブジェクトタブあるい
     はカスタムインデックスオブジェクトタブを追加するためのボタン
     もあります。

     「データ表示方法の設定」ダイアログボックスには「保存」ボタン
     があり、このボタンを使用して、独自に定義したメモリーオブジェ
     クトなどの最新の設定を保存することができます。

     注:      アナライザと er_print および   er_src  ユー ティ リ
            ティー のデフォルト設定は、同じ .er.rc ファイルを使用
            して行われます。このためアナライザの「データ表示方 法
            の 設定」ダイアログで変更を保存すると、 er_print およ
            び er_src ユーティリティーの出力もその影響を 受 け ま
            す。

  テキストやデータの検索
     アナライザには、ツールバーに検索ツールがあり、コンボボックス
     に 表 示 される検索対象について 2 つのオプションを使用できま
     す。「関数」タブまたは「呼び出し元-呼び出し先」タブの名前 列
     や、「ソース」タブおよび「逆アセンブリ」タブのコード列でテキ
     ストを検索できます。「高メトリック」は「ソース」タブお よ び
     「逆アセンブリ」タブで検索できます。高いメトリックの項目があ
     る行のメトリック値は、緑色で強調表示されます。上下方向を検索
     するには、検索フィールドの隣にある矢印ボタンを使用します。

  関数の表示または非表示
     デフォルトでは、「関数」タブと「呼び出し元-呼び出し先」タ ブ
     に、各ロードオブジェクトのすべての関数が表示されます。「関数
     の表示/非表示」ダイアログボックスを使用し、ロードオブジェ ク
     ト の すべての関数を非表示にできます。ダイアログボックスは、
     ツールバーまたは「表示」メニューから開くことができます。ロー
     ドオブジェクトの関数が非表示の場合、ロードオブジェクトから統
     合されたすべての関数を表す単一のエントリが表示されます。同様
     に、「行」タブ、「PC」タブでも、ロードオブジェクトの全関数の
     全 PC を統合した単一のエントリが表示されます。

     フィルタとは対照的に、非表示の関数に対応するメトリックは、す
     べての画面において一定の形式で表示されます。

  データのフィルタ
     デフォルトでは、すべての実験、標本、スレッド、LWP、CPU に つ
     いて各タブにデータが表示されます。また、「データをフィルタ」
     ダイアログボックスを使用して、データのサブセットを選択するこ
     とができます。このダイアログボックスを開くには、ツールバーに
     ある「データをフィルタ」ボタンをクリックするか、「表 示」 メ
     ニューから「データをフィルタ」を選択します。

     「データをフィルタ」ダイアログボックスには、「基本」お よ び
     「上 級」の 2 つのタブがあります。「基本」タブは、実験ファイ
     ルリスト 1 つと、標本や CPU、LWP、およびスレッドのセクション
     から構成され、各セクションには、選択項目を入力するためのテキ
     ストフィールドが 1 つあります。実験ファイルリストでは、実 験
     ファイルを選択するか、または「すべてを選択」、「すべてを選択
     解除」、あるいは「反転」ボタンをクリックして、1 つまたは複数
     の実験ファイルを選択できます。テキストボックスを使用して、選
     択した実験ファイルについて表示させるデータを変更できます。複
     数の CPU、スレッド、LWP でフィルタされたデータを解釈する際に
     は注意を払う必要がありますが、3 個のフィルタをすべて同時に適
     用できます。「すべてを有効」、「選択されているものを有効」、
     「すべてを無効」、または「選択されているものを無効」ボタンを
     使用して、実験ファイルについて表示させるデータを有効または無
     効にすることもできます。

     「上級」タブは、ヘッダー1 つとフィルタ指定用テキストボックス
     1 つから構成されます。ヘッダーには、フィルタ句を入力するため
     の読み取り専用テキストフィールド 1 つと、現在のフィルタ句 に
     AND また OR を付加するか、現在の句にフィルタを設定するための
     ボタンがあります。このフィールドの内容は、「関数」か「データ
     オブジェクト」、「データレイアウト」タブまたは任意のメモリー
     オブジェクトのタブから選択されている項目が 1つまたは複数のど
     ち ら であるかに応じて、読み込まれます。ボタンのいずれかをク
     リックすると、選択項目が条件に変換され、フィルタ指定に追加さ
     れるか、置き換えられて新しいフィルタ指定になります。

     「上級」タブは、ボタンバーの右端のボタンをクリックす る か、
     「基本」タブからタブを切り替えると表示されます。

     フィルタ指定フィールドにテキストを入力するか、条件を追加する
     こ と によって、フィルタの構成を終えたら、「了解」または「適
     用」ボタンをクリックして、フィルタを設定します。

     フィルタの指定に誤りがある場合は、エラーが返され、古いフィル
     タ設定が残ります。

     実験選択
          アナライザでは、複数の実験が読み込まれている場合、実 験
          で 絞り込む機能があります。実験は個別に読み込むことも、
          実験グループ名で読み込むこともできます。

     標本選択
          標本は 1 から N まで番号が付けられ、任意に組み合わせ て
          選 択することができます。標本を選択するには、標本番号や
          1-5 のような範囲をコンマで区切って指定します。

     スレッド選択
          スレッドは 1 から N まで番号が付けられ、任意に組み合 わ
          せ て選択することができます。スレッドを選択するには、ス
          レッド番号や範囲をコンマで区切って指定します。スレッ ド
          の プ ロファイルデータは、スレッドが LWP 上で実際にスケ
          ジュールされた場合の実行の一部だけを対象にします。

     LWP 選択
          LWP は 1 から N まで番号が付けられ、任意に組み合わせ て
          選 択することができます。LWP を選択するには、LWP 番号や
          範囲をコンマで区切って指定します。同期データが記録さ れ
          ている場合、報告される LWP は同期イベントの開始時の LWP
          です。この LWP は同期イベントの終了時の LWP と異なる 場
          合があります。

     CPU 選択
          CPU 情報が記録されている環境 (Solaris 9 以降) では、CPU
          を 任意に組み合わせて選択することができます。CPU を選択
          するには、CPU 番号または範囲をコンマで区切って指定し ま
          す。

     er_print(1) のマニュアルページの filters コマンドで説明し て
     いるように、「上級」タブには、フィルタ式を入力するためのテキ
     ストフィールドが 1 つあります。

  実験の記録
     ターゲット名とターゲット引数を付けてアナライザを起動すると、
     「パ フォー マ ンスツール - 収集」ウィンドウが開き、指定した
     ターゲットに対する実験を記録することができます。引数なし、ま
     た は 実験ファイルリストを付けてアナライザを起動した場合は、
     ツールバーの「実験を収集」ボタンをクリックするか、 「ファ イ
     ル」 メ ニューから「実験を収集」を選択して、「パフォーマンス
     ツール - 収集」ダイアログボックスを開くことによって新しい 実
     験を記録することができます。

     「パフォーマンスツール - 収集」ダイアログボックスには、3  つ
     のタブがあります。実験の説明を入力するためのタブと、収集する
     データを指定するためのタブ、そして collect とそのプロセス の
     出力用のタブです。

     1 つ目のタブには「1. 実験を収集」というラベルが付いてい て、
     ター ゲッ ト名とその引数、実験とそのグループおよびディレクト
     リ、さらには現在の作業ディレクトリを指定するためのフィールド
     があります。また、MPI 実行に使用されるような、環境変数や起動
     コマンドプロセス名を指定するためのフィールドもあります。デー
     タのサイズ制限や実行の制限時間、アーカイブや派生プロセス、シ
     グナルコントロールを制御するオプションも あ り ま す。  col-
     lect(1) のマニュアルページで説明しているように、これらのオプ
     ションは、 collect コマンドで使用可能なオプションに対応し て
     います。このパネルのすぐ下には「プレビューコマンド」ボタンと
     テキストフィールドがあります。このボタンを押すと、「実行」ボ
     タ ンを押すと使用される collect コマンドがテキストフィールド
     に表示されます。タブの最下部には 1 組のボタンがあります。 こ
     れらのボタンを使用して、実行を開始したり、実行中にプロセスに
     「一時停止」や「継続」、「標本」シグナルを送信したり(対応す
     るシグナルが指定されている場合のみ有効になる)、実行を終了し
     たり、ダイアログボックスを閉じたりできます。

     2 つ目のタブには「2. 収集するデータ」というラベルが付いて い
     て、 時 計およびハードウェアカウンタプロファイル、同期および
     ヒープトレース、その他のさまざまなデータオプション用のコント
     ロールが含まれています。また、1 つ目のタブと同じプレビューボ
     タンやフィールド、実行コントロールもあります。

     3 つ目のタブには「3. 入力/出力」というラベルが付いていて、 2
     つ の区画があります。1 つは collect そのものの出力用、もう 1
     つはそのプロセスの出力用です。また、1 つ目のタブと同じ プ レ
     ビューボタンやフィールド、実行コントロールもあります。

     実験の実行中にパネルを閉じても、実験は続行されます。パネルを
     再度呼び出すと、実行中ずっと開かれていたかのように、実行中の
     実験が表示されます。実験の実行中にアナライザを終了しようとす
     ると、実行を終了するか、あるいは継続するか問い合わせるダイア
     ログボックスが表示されます。

  マップファイルの生成と関数の順序変更

     データ解析以外に、アナライザには関数の順序変更機能もあ り ま
     す。また、アナライザは実験ファイルに基づいてマップファイルを
     生成します。このマップファイルを、アプリケーションの再リンク
     を行う静的リンカ (ld) とともに使用して実行可能ファイルを作成
     すると、より小さなワーキングセットで済み、内部キャッシュの動
     作も改善されます。

     関数がマップファイルに記録され、実行可能ファイルで関数の順序
     変 更 に使用される順序は、関数リストのソートに使用されるメト
     リックによって決定します。通常、マップファイルの生成には、排
     他的なユーザーCPU 時間か排他的なユーザーCPU サイクル時間が使
     用されます。同期遅延トレースやヒープトレースなどによる メ ト
     リック、または名前やアドレスでは、マップファイルについて意味
     のある順序付けは行われません。

  その他の機能
     アナライザは、「ファイル」メニューで、現在のセットに実験また
     は実験グループを追加したり、削除したりすることができます。

     アナライザの「ファイル」メニューには、新しいウィンドウを作成
     するための項目が用意されています。この項目を選択すると、元の
     ウィンドウと同じ設定を持つ複製ウィンドウが開きます。ウィンド
     ウが開くと、互いに影響することのなく、どちらのウィンドウでも
     設定を変更することができます。

     すべてのウィンドウで共有される設定がいくつかあります。ウィン
     ドウは実験セットを共有するため、1 つのウィンドウで実験を追加
     または解除すると、すべてのウィンドウが影響を受けます。検索パ
     スの設定はすべてのウィンドウに共通です。


デフォルト

     アナライザは、現在のディレクトリにある .er.rc、 ユー ザー の
     ホー ム ディ レクトリにある .er.rc、そして製品とともにインス
     トールされるシステムの .er.rc ファイルに含まれる指令をそれぞ
     れ処理します (ただし、それらファイルが存在する場合)。

     これらの .er.rc ファイルには、アナライザが起動したときに表示
     す る タブに関するデフォルト設定 (tabs) を含めることができま
     す。「実験」タブ (名前は headers)、「タイム ラ イ ン」 タ ブ
     (timeline)、「デュアルソース」タブ (dsrc)、「ソース/逆アセン
     ブリ」タブ (srcdis) を除き、これらのタブには、er_print コ マ
     ンドによって対応するレポートに応じて名前が付けられます。

      .er.rc ファイルにはまた、メトリックやソート、コンパイラのコ
     メントオプションの指定、ソースおよび逆アセンブリ出力のしきい
     値の強調表示に関するデフォルト設定を含めることができます。ま
     た、 ほ か のコンパイラに対する C++ 名の復号化の際のパスや、
     「タイムライン」タブ、名前 の 書 式、 表 示 モー ド の 設 定
     (viewmode) に関するデフォルト設定も指定します。

     また、.er.rc ファイルには、親の実験が読み取られたときに派 生
     実験を選択して読み取るかどうかを制御するためのオプションであ
     る en_desc {on|off} を含めることもできます。

     さらに、ソースおよびオブジェクトファイルの検索パスを制御する
     ための指令を含めることもできます。アナライザでは、「データ表
     示方法の設定」ダイアログボックス (「表示」メニューから選択す
     ることによって表示可能) で「保存」ボタンをクリックすることに
     よって、.er.rc ファイルを保存できます。「データ表示方法の 設
     定」ダイアログボックスから .er.rc ファイルを保存すると、以降
     のアナライザの実行に影響するばかりでなく、以降の er_print お
     よび er_src ユーティリティーの実行にも影響します。これらの指
     令およびファイルとその処理については、er_print(1) のマニュア
     ルページを参照してください。

     アナライザは、タブが読み込まれたときに生成される処理メッセー
     ジをはじめとして、自身が処理したユーザーの .er.rc ファイルの
     名前を付けて、「エラー/警告ログ」領域にメッセージを書き込 み
     ます。


互換性

     アナライザは、Forte Developer 7 ソフトウェア、Sun ONE Studio
     8 ソフトウェア、Sun Studio 8 ソフトウェア、Sun Studio 9 ソフ
     トウェア、Sun Studio 10 ソフトウェア、Sun Studio 11 ソ フ ト
     ウェア、およびこのバージョンの Sun Studio ソフトウェアのいず
     れかを使用して記録した実験ファイルに対してのみ実行することが
     できます。このバージョンで強化されたいくつかの機能は、初期リ
     リースで記録された実験にも有効です。

     以前のバージョンのツールで記録された実験で呼び出すと、警告が
     表示されます。その場合は、このリリースから、実験の記録に使用
     されたバージョンのアナライザを使用してください。 Sun  Studio
     12  よ り 前のバージョンで記録された実験に対しては、将来のリ
     リースで実験が読み取れなくなるという警告も表示されます。


関連項目

     collect(1)collector(1)dbx(1),    er_archive(1)er_cp(1)er_export(1)er_mv(1)er_print(1)er_rm(1)er_src(1)tha(1)libcollector(3)、および